■出発(9月9日)
出発2日前の3時に台風18号(※)が発生し、旅行中止の危機。
しかし、出発日の14時に日本海に抜け、
21時に温帯低気圧に変わったため、旅行決行となりました。
※9月9日10時過ぎに知多半島に上陸し、東海・北陸地方を縦断。
前線が刺激されたことで中国地方から東北地方にかけての
広い範囲で大雨となり、温帯低気圧に変わった後も
台風17号との相互作用で大雨が継続し、
鬼怒川が決壊して甚大な被害をもたらせたあの台風です。
横浜駅22:24発サンライズ出雲に乗車。
(ちなみに、前日のサンライズ出雲は台風の影響で運休でした)
寝台列車は7年前の北斗星以来です。
サンライズ出雲は、東京駅~出雲市駅間を運航する寝台特急。
東海道本線・山陽本線・伯備線・山陰本線経由。
東京駅~岡山駅間はサンライズ瀬戸を併結します。
285系電車の7両編成。
個室A寝台「シングルデラックス」、
個室B寝台「サンライズツイン」「シングルツイン」「シングル」
「ソロ」、普通車指定席「ノビノビ座席」で構成されています。
昨今のパワースポットブームの影響で
縁結びの聖地「出雲」を訪れる女子旅にも利用されるようになり、
現在はチケットの確保が困難となっています。
(特に休前日の出発は争奪戦です)
かく言う我が家もサンライズツインを申し込んだものの、
確保できたのは喫煙可のシングル2室。
(サンライズツインは一編成に4室なので確保困難です)
我が家は非喫煙世帯なのでタバコの臭いが気がかりでしたが、
あまり気にならないレベルでした。
発車後はビールを飲みながら翌日の観光予定を確認したり、
車窓を眺めたりしていました。
静岡駅(0:20頃)あたりで就寝。
横になったもののあまり眠れず、米原駅あたりで起床。
滋賀県内は雲も少なく星や月も見えていましたが、
大阪府に入ったあたりから雨が降ってきました。
姫路駅を過ぎたあたりで、ミニサロンで朝食。
(食堂車や車内販売がないので、乗車前に買っておきました)
岡山駅ではサンライズ瀬戸の切り離しを見学。
中国山地を越えて鳥取県に入ってからは
雨が降ったりやんだりでした。
定刻通り松江駅9:30着。
松江も晴れ間が出たり、雨が降ったりと不安定な天気。
まずは駅前のレンタカー屋へ。
今回の車はマツダのデミオ。
天気が悪かったので、とりあえず島根県物産観光館へ。 |
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サンライズが入ってきました |
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13号車通路
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シングルの室内 |
窓側にライトのスイッチや時計など
通路側には荷物を置くスペースがあります |
浴衣・枕・毛布が用意されています |
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深夜の静岡駅 |
ビルの合間から
奇跡的に撮影できた姫路城 |
ミニサロン |
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岡山駅での切り離し作業 |
先発するサンライズ瀬戸 |
出発を待つサンライズ出雲 |
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特急やくもとの離合
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松江駅では「しまねっこ」がお出迎え |
マツダ デミオ |
■島根県物産観光館
島根県の物産と観光の振興を図るために設置された県の施設。
松江城大手門近くにあります。
食べ物や地酒、工芸品など県内各地の物産が一堂に揃っています。
また、県内の観光パンフレットを取り揃え、
観光情報の提供に関する業務も行っています。
2階には「しまねっこのお家」があり、
運が良ければしまねっこに会えるかも!?
天気が回復しないので、堀川めぐりをすることに。
遊覧船には屋根があるので、雨でも大丈夫です。
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しまねっこのお家
ゆるキャラグランプリの
選挙事務所仕様になっていました
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■堀川めぐり(堀川遊覧船)
松江城を囲む約3.7kmのお堀を
全長約8m、幅約2mの小船が約50分かけてのんびり巡ります。
乗船場はふれあい広場・カラコロ広場・大手前広場の3か所。
一周しなくても途中の乗船場で下船可能です。
コース周辺は天守をはじめ、武家屋敷、塩見縄手の老松など、
小船にゆられながらゆったり眺めるのにふさわしい風景です。
船上から眺める松江の街並みはどこか懐かしく、
徒歩とは違った風景を楽しむことができます。
小船は17もの個性ある橋をくぐりますが、
そのうち4つは橋桁が低いため船の屋根を下げて通ります。
その時は乗客も腰をかがめないといけないため、
スリリングな体験ができます。
運よく最前部に座れたものの、
前から雨が吹き込んできたりして大変でした。 |
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屋根付きです
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出航!
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塩見縄手あたり
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屋根が下がった状態
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雨に煙る松江城天守
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■昼食
松江駅近くの「日本料理 松江 和らく」。
日本海の新鮮な魚介類や四季折々の食材にとことんこだわった
風格漂う日本料理店です。
旬の食材を生かし、卓越した職人の技により生み出される
至高の逸品を提供しています。
山陰といえば「かに」。
「かに料理」を大きな華籠に詰め込んだ
ランチ限定の「かに華籠膳」を注文。
かにを存分に味わえる見た目も贅沢なお膳です。
どのかに料理もとてもおいしく、満足のいく逸品でした。
ちなみに、クーポン持参で妻はグラスビール、
私は運転があるのでアイスコーヒーをいただきました。 |
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かに華籠膳
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境港産紅ずわいがに
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かに天婦羅+野菜天婦羅
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かに茶碗蒸し
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かにのとろ湯葉
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かに寿司
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お造り(かんぱち+鯛)
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しじみ汁
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昼食の後は再び観光。
まずは塩見縄手周辺へ。
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■塩見縄手
「縄手」とは縄のように細く延びた一本道のこと。
慶長12年(1607年)~慶長16年(1611年)の松江城築城の際に
城地の亀田山と北側の赤山の中間にあった宇賀山を堀削して、
内堀とそれに並行する道路および武家屋敷を造成してできた通り。
この塩見縄手には
二百石から六百石程度の中級武士の屋敷が並んでいました。
この武家屋敷に一時住んでいた塩見小兵衛が
のちに異例の栄進をして家老職になったため、
それを称えて塩見縄手と呼ぶようになりました。
松江で最も城下町らしい佇まいを残すこの通りは
市の伝統美観地区に指定されており、
昭和61年には「日本の道100選」に選ばれています。 |
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■小泉八雲旧居
国指定史跡。
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが
明治24年(1891年)6月~11月の約5か月間過ごした武家屋敷。
松江では「ハーン」の別名「ヘルン」という名が定着しており、
この屋敷は「ヘルン旧居」とも呼ばれています。
小泉八雲は「耳なし芳一」や「雪女」などの「怪談」の作者。
文学者としての八雲の功績はたいへん広範囲にわたっており、
翻訳(主にフランス文学の英訳)、紀行、随筆、文芸批評、
民俗学などの分野でも多くの作品を残しています。
八雲は明治37年(1904年)に
東京で亡くなるまでの14年間を日本で過ごし、
その間、松江・熊本・神戸・東京と四つの都市に住みました。
この屋敷は元松江藩士の娘セツと新婚生活を過ごした邸宅で、
庭のある侍の屋敷に住むのは八雲たっての希望でした。 |
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居間から庭を眺めるのが
好きだったようです
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書斎にある愛用の机と椅子(レプリカ)
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■武家屋敷
江戸時代初期から松江藩の六百石程度の中級藩士が
屋敷替えによって入れ替わり住んだところ。
現在の屋敷は享保18年(1733年)の大火で焼失後に
再建されたもので、松江市の文化財に指定されています。
約70坪(約230㎡)の主屋と中間(武家奉公人)の住居として
用いられた長屋と長屋門、ほかに裏門、庭園が現存しています。
表側の玄関から座敷まわり、
主人居間のあたりは立派な造りになっているのに対し、
裏側の私生活部分は質素な造りになっており、
武家の公私の別の厳しさを示しています。
館内には刀、槍、薙刀などの武器、
裃や化粧道具・お歯黒道具などの日用品が展示されてします。 |
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長屋門
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主屋
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内玄関
家族などの私用に使う出入口
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式台玄関
来客者が地面に降りることなく
駕籠に乗り降りすることができました |
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座敷
現代でいう応接室
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当主居間
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茶の間
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納戸
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湯殿
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台所
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ここでちょっと一息。
松江の茶の湯化に触れるべく明々庵へ。
※松江の茶の湯文化
松江は古くから京都や金沢に引けを取らない茶処・菓子処でした。
今でも、家庭だけでなく会社においても10時と3時に揃って
お茶を飲む休憩時間があるところがあるそうです。
松江の人々の暮らしの中に
さりげなくお茶を楽しむ文化が根付いているのは、
大名茶人・不昧(ふまい)公の影響が色濃く残っているからです。
不昧公とは松江藩七代藩主・松平治郷公のこと。
不昧は茶の湯の号で、こちらの名前の方がよく知られています。
不昧公はこよなく茶の湯を愛し、後に不昧流と呼ばれる、
流派や形式にこだわらない独自の茶道を築きました。
不昧公の存在によって茶の湯を楽しむ気風が育まれ、
お茶の席には欠かせない銘菓がいくつも誕生しました。
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明々庵の城見台から松江城を望む
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■明々庵
安永8年(1779年)、不昧公によって建てられた茶室。
一時は東京の松平伯邸などに移されていましたが、
昭和41年に現在の地に移築されました。
島根県指定文化財。
厚い茅葺きの入母屋造りで、
間取りは二畳台目と四畳半の席が組み合わされ、
水屋と台所も完備しています。
隣接する百草亭では、
明々庵や庭園を眺めながら抹茶と茶菓子を楽しむことができます。 |
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明々庵【島根県指定文化財】 |
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不昧公筆の「明々庵」の額
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松江三大銘菓のうちの二つ
若草(手前)と菜種の里(奥)
不昧公によって命名されました
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百草亭から眺める庭園
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いよいよ国宝松江城へ。
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■松江城
天守は国宝(平成27年7月8日指定)
国指定史跡。
現存十二天守の一つで、日本三大湖城の一つ。
日本百名城にも選ばれています。
松江開府の祖・堀尾吉晴公が築城。
慶長12年(1607年)から足掛け5年の歳月をかけて
慶長16年(1611年)に完成しました。
標高28mの亀田山(城山)の丘陵上に構築された平山城で、
天守は四重五階地下一階、高さ約30m。
天守を中心とした本丸には武具櫓、鉄砲櫓、祈祷櫓など
6基の二重櫓があり、その間を多聞や瓦塀が繋いでいました。
千鳥が羽根を広げたように見える入母屋破風の屋根が
見事なことから、別名「千鳥城」とも呼ばれます。
関ヶ原の合戦が終わって間もない頃の築城だったため、
望楼式など桃山風の城郭の特徴を残しながらも、
質実剛健で実戦的な構造となっています。
明治になって城内の建物は天守を除きすべて取り壊され、
天守も取り壊しの上、その部材が売却される予定でしたが、
元藩士や地元の有力者によって買い戻され、
山陰地方で唯一の天守が今に残ることとなりました。 |
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堀尾吉晴公 |
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大手木戸門跡
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馬溜跡
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大手門跡
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大手門の礎石
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太鼓櫓(平成13年復元)
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太鼓櫓下の石段横の
石垣にあるハート形の石
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二の丸下の段
米蔵や屋敷などがあったとされています
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三ノ門跡
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二ノ門跡
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弓櫓跡
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南多聞櫓(昭和35年復元)
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一ノ門(昭和35年復元)
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附櫓
天守入口の防備を堅くするために
取り付けられた櫓 |
天守【国宝】
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望楼と入母屋破風
華頭窓もあります
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シャチホコ
天守に取り付けられていたもので
昭和30年の改修で取り替えられたもの |
石落としと狭間
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大坂冬の陣で14歳の松平直政公が
真田幸村公の陣を攻め
幸村公にその勇気を称えられて
投げ与えられたといわれる軍扇 |
寄木柱
柱の外側に板を張って
鎹(かすがい)や鉄輪で留めたもの
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桐の階段
階段を引き上げたり
防火防腐のために桐が使われました |
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天守最上部から本丸を望む
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天守最上部から宍道湖を望む
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乾櫓跡
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鉄砲櫓跡
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祈祷櫓跡
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多門跡
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武具櫓跡
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太鼓櫓(平成13年復元)
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中櫓(平成13年復元)
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南櫓(平成13年復元)
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中櫓(平成13年復元)
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南櫓(平成13年復元) |
武具櫓石垣と天守
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時間が余ったので、
吹き込む雨のためゆっくり楽しめなかった
堀川めぐり遊覧船に再度乗船することに。
今回の船頭さんは観光ガイドだけでなく、
安来節など民謡を3曲歌ってくれました。
香港からの観光客の方もたいへん喜んでいました。 |
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塩見縄手あたり
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武家屋敷前
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カワウ
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稲荷橋
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カルガモくん
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ジャングルのようなところもあります
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島根県庁
松江城三の丸跡にあります
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旧日本銀行松江支店
現在は「匠」をテーマにした
製造・販売一帯型の工芸館
「カラコロ工房」になっています
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新米子橋
遊覧船の屋根が下がる
4つの橋のうちの一つ
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ヒガンバナ
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松江城天守
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北惣門橋
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本日最後の行程は宍道湖の夕陽。
「日本の夕陽百選」にも選定されており、
宍道湖に沈む夕陽の美しさは日本一といわれています。
夕陽を見るために「宍道湖うさぎ」のある島根県立美術館へ。
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■宍道湖うさぎ
島根県立美術館の外の芝生に並んだ12羽のうさぎ。
籔内佐斗司・作。ブロンズ製。
12羽のうさぎがぴょんぴょん跳びはね、
最後に宍道湖を眺めています。
よく見るとこのうさぎは3種類の形しかありません。
後ろ足で蹴っているポーズと前足で着地しているだけの
2種類の形を交互に配置させて動きをだしています。
湖から2番目のうさぎに西を向きながら触ると
幸せが訪れるといわれており、女性に大人気です。 |
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残念ながら夕陽は雲に隠れたまま
夕焼けで我慢しましょう
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本日の行程はこれにて終了。
松江駅前にある本日のお宿に向かいます。
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■本日のお宿
「松江エクセルホテル東急」。
洗練された現代的なスタイルの高級ビジネスホテル。
松江駅から徒歩3分の好立地でビジネス・観光に最適。
レディースフロアもあります。
シモンズ製ベッドやテンンピュール製ピローを使用するなど、
クオリティーの高い客室や充実した設備・施設で
快適なひとときを過ごすことができます。
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■夕食
地酒と郷土料理の店「川京」。
宍道湖七珍(※)が味わえる人気店。
昭和45年の創業以来、家族で「創作料理のこだわり」と
「ご縁」を最も大切に歩んできた店です。
カウンター15席のみのこじんまりとした店。
予約がベターとのことで予約していきましたが、
木曜ということもあって満席にはなりませんでした。
大将は不在でした(ちょっとだけ顔を出されました)が、
女将や若女将と会話しながら郷土料理を楽しみました。
珍しいサービス品も出てきて大満足でした。
(※)シスズキ・モロゲエビ・ウナギ・アマサギ(ワカサギ)・
シラウオ・コイ・シジミ
料理は以下のものを注文。
・鳥取砂丘のらっきょう
毎年6月に漬けているそうです
・鰻のタタキ
秘伝のタレと8種類の香辛料で仕上げられた珍味
まさに絶品!とてもおいしかったです
また食べたい逸品
・おたすけしじみ
宍道湖のしじみが肝臓を助けます
残った煮汁は雑炊か味噌汁にしてもらえます
白バイ貝も付いてきました
・島根のすご~いおとうふ
安来産丸大豆「さちゆたか」を使用した
おからを出さない製法の豆腐
秘伝ブレンド醤油と津和野名産柚子こしょうで食べます
・川海老の唐揚げ
モロゲエビとテナガエビ
浜田の名物「赤てん」も付いてきました
・すずきの奉書焼
奉書紙にくるんで焼く松江の伝統料理
松平不昧公ゆかりの料理です
身はやわらかく、さっぱりとした味でした
・鰻くん
鰻の燻製
他ではなかなかお目にかかれない料理
これも絶品! |
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お通し
めのは(板わかめ)と変わり枝豆 |
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鳥取砂丘のらっきょう
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鰻のタタキ
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おたすけしじみ
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島根のすご~いおとうふ
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川海老の唐揚げ
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ミョウガの天ぷら
★サービス品
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すずきの奉書焼
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すずきの奉書焼
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鰻くん
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亀の手ともろきゅう
★サービス品
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漬物
★サービス品?
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おたすけしじみの
残った煮汁で作った雑炊
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フルーツ盛り合わせ
★サービス品
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